今回は、コラム「中小企業をめぐる冒険」の第1回目(vol.1)となるわけですが、「
ブルー・オーシャン戦略」を取り上げたいと思います。「ブルー・オーシャン戦略」は、2005年頃に登場した戦略概念で、当時日本でも大きな話題になり、書籍もかなり販売部数を伸ばしたようです。しかし、日本では、多くの事物が流行現象としてブーム化され、消費され、使い捨てられる傾向があるように、戦略概念としての「ブルー・オーシャン戦略」もその例外ではないのか、今ではあまり言及されることもないようです。そして、以後も、グローバリズムは進展し、競争は激化し、多くの財においてコモディティ化するリスクがさらに高まっています。そこで当コラムの初回となる今回は、コモディティ化に抗する戦略概念として、
「ブルー・オーシャン(=競争のない市場)」の創出を目指す「ブルー・オーシャン戦略」について再考したいと思います。前半でその概要をまとめた上で、後半でそれを既存の経営戦略理論の中に位置付け(つまり、理論をフローとして消費するのではなく、ストックとして回収し)、現代の中小企業にとってのその意義を考えます。結論は、タイトルの通りです。
※最近では日常的にも「ブルー・オーシャン戦略」への言及・記述が散見されるようになっています。また、IT系の資格試験である「
情報処理技術者試験」では、「ブルー・オーシャン戦略」が、2012年5月に更新された
新出題範囲 に
追加 されています。このような状況から、「ブルー・オーシャン戦略」も、現代の経営環境において有効な考え方であるとして、
SWOT分析 や
成長マトリクス(アンゾフ) などと並ぶ基本的戦略として位置付けられるようになったと考えても良さそうです。2014年06月06日追記